春になったからひどく悲しかった。
いや、春になったからひどく悲しかったわけではない。
今日は久しぶりの休みで、昼の1時くらいにふとんからのそのそ這い出して、おいしいパンを買い、植物園に行った。
外に出るとあたたかくて、うれしかった。
植物を見るのは楽しくて、パンを食べながら花を見るのは幸せで、うれしかった。
昨日、は休日出勤をして、いつもどおり子どもたちと話して、絵を描いて、まだ日が暮れる前に家に帰ってきて。
やっと連勤が終わったなぁなんて思っていたらここ2週間のつかれがどっと来て、ぼーっとして、そうだ今日は行きたい読書会があるんだよなって思って持って行きたい本を手に取ったらいつのまにか寝てて、寒くて、もうやめようと思ってまたぼーっとして。
ぼーっとしてたらなんか遠くに行きたくなって、読書会が終わった静かなお店で、近所のお店でアメリカ古典を読んでお酒を飲んでうんと遠くに行って、知ってる人と知らない人と話して、ぼーっと、ぼーっとして、家に帰って。そんな時間があることがうれしかった。
昨日悲しかったのはふとんに入ってからで、朝方まで悲しい、悲しいと思っていて、目が覚めたら部屋から出たらすっかり悲しくなくなっていた。今日悲しかったのは一体いつから、いつからだったか。
今も悲しいのだろうか、一体何がそんなに悲しいのだろうか。
昨日の夜は悲しくて泣いていて、今日も花を見ながら泣きそうになって、こんなところで泣いていたら怪しすぎるから急いで車に帰って、なぜかぽろぽろ泣きながら運転して、情緒がこわれてしまったのだろうか。
春になったのにひどく悲しかった。
泣きたいときに泣けるのは、人間らしくていいと思うけど、もうすこし明確な理由がほしい。
薄い紙で指を切って赤い赤い血が滲む これっぽっちのやいばで痛い痛い指の先